ぼんくら作者: 宮部みゆき出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/04/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (64件) を見る

最近は読書に傾倒している。松田優作の「野獣死すべし」の影響だ。なんと、この名作が30%オフで売っていたのだ。これを買わずにはいられない。と思い立った。最近は、やらなきゃいけないことを後回しにして本を読みふける。コーヒーがうまい。
優作が漂泊者を音読しているのを聞きながら、読んだのがぼんくらだ。宮部みゆきという作家は優等生だと、この本を読んだだけでもわかる。歯切れのよい文章。飽きさせないストーリー。解説でもあるように欠点が見当たらない。あえて言うのならば、優等生すぎるのが欠点か。

野獣死すべし [DVD]

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ノーカントリー

かっこよすぎる映像美!なんて映画的興奮に満ち溢れた映画なのか。美しい、いや愛おしいと表現すべき映画だ。
最高なのが視点のかっこよさ。何がそんなに良いのかといえば、地平線の位置だ。完璧に計算された画面設計。ほぼ中央に位置する地平線。その視点を定着させたまま人物を撮っている。これはあのゾディアックに近いアングルだ。かっちょイイ。
そして、あのシガーが自ら治療する場面のかっこよさと言ったら。なんて書けばよいのか。ほんともう、あのアップの使い方、絶妙な間。あれはカポーティに見た最高の場面を想起させる。
これだけでも泣きそうなのに、最高に活劇性にあふれたストーリー。もうここまでされると欠点なんかどうでもよくなってくるから不思議だ。最高だった。ありがとうコーエン兄弟

ゾディアック 特別版 [DVD]

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山種美術館

映画「靖国」。近くで上映してほしいな。
靖国神社がたっている地域とはいいところで、私は何度か足を運んでいる。残念ながら靖国神社に入っていったことはないが、近くに国立美術館があったと思う。しかし、私がお勧めしたいのは山種美術館の方だ。ここでは近代日本画を堪能できる。と言っても時期によって展示されているものが異なるので事前に調べて出向くべきだが、何に出会えるかを楽しみに行くのもいいだろう。
横山大観、横山操、速水御舟奥村土牛竹内栖鳳、など多くの有名な画家たちの作品を目にすることができる。特に速水御舟、横山操は好きだ。速水御舟の風格と横山操の孤独は何度見ても刺激的だ。
一度訪れて損はないところだと思う。

福田首相

実際の経済はどうなっているかわからないがアメリカ金融市場は持ち直してきているらしい。そのためか、確か一ドル100円前後していると思う。今日はどうなっているか見ていないが。
金融市場と実経済?(GDP)の違いは、前者は予想(期待)によって動くのに対して、後者は測定にかかるタイムラグがわずかだがどうしてもある。
そこで、アナウンス効果をみるには金融市場のほうがよいのだろうか。政治は結果責任というが不確実性が高い現代において政治がそれを取り除く必要があると思う。たとえば、目標インフレ率などを導入するなど、将来の展望を示すことで極力予測しやすくするようにすべきだろう。
最近の福田総理の行動は遅すぎたのか、どうなのか。彼の顔は好きなのだけれど。

なんとなくGDP

日本経済はどうなるのだろうか。行きつけの中華料理店の値段が上がり不安に駆られた。
私は楽観視しているほうだと思える。理由はアメリカ経済が持ち直すと思っているからだ。ただし、回復の仕方については人それぞれだと思う。
個人的には元に戻ることはないと思う。かなり短絡的に、貨幣数量説*1からそう思っている。

  1. アメリカ景気衰退の原因は金融問題である
  2. 故に信用収縮により貨幣の流動性の低下
  3. 改善策として、信用性を高めるために規制強化
  4. そのため、以前よりは流動性は低くなる

上記のように考えているので、アメリカ経済はある程度は持ち直すだろう。
ただし、今の日本経済の不安定さはほかの部分によるところも多いと思われる。よくわからないが。
参考

ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)

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*1:GDPなどのマクロ指標は最初にケインズが提案したものである。マクロの基礎を知っていれば彼が貨幣数量説にもとづいて金融政策を提案していたのは推測できる。ゆえにこの仮説からアメリカ経済の先行きを考える。モデル自体も非常に簡単なのでわかりやすい。

新世界より (上)作者: 貴志祐介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/01/24メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 445回この商品を含むブログ (254件) を見る

結論からいえば、オチが微妙。残酷度も蝿の王を少しアレンジしたぐらいだろう。それに加え、手紙と公言していることで主人公が死なないことはわかりきっているし人間どうしが離れて暮らしている理由がよくわからなかった。最後の言葉もあの流れでそれはないだろう、と言いたくなるものだ。後、本当の悲劇を私たちはまだ知らなかった、みたいな文章が多くうざったい。
良かった点としては、細部まで確りと描写されていた事とSFといっても出てくる生物や町並みは奇想天外なものではなかったことだ。なので、話に入りやすいと思う。呪力を除いては。