大阪維新

公務員に成果主義を導入できるのか。結論から言えば、難しいだろう。
そもそも、成果主義とはなにかと考えると、仕事に応じた報酬の提供という点において、完全市場下での労働力の取引と考えてよいと思う。これに一番近い形が、外資系の金融だろう。もちろん、すべての企業が完全な成果主義や終身雇用などを実現できることは不可能である。仮に、終身雇用を実現しようと思えば、企業側の負担は膨大であり、成果主義では良い人材はより良い条件の企業へと集中するだろう。どちらにしろ、一部の優れた企業でのみ機能できる制度である。
現状では、一部成果主義を取り入れるのが一般的ではないかとおもう。そこで、なぜ企業が成果主義を取り入れなければならなくなったのか、と考えれば、外部経済のリスクプレミアムが増大したことや競争の激化があげられるだろう。そうした場合、ある程度現状に応じた人件費の支出をしていく必要がある。
しかし、この点で公務員に成果主義を導入することへの疑問が出る。行政とは近代国家において認められている独占事業であるといってよい。ならば、わざわざ成果主義を導入する必要性もない。雇用調整も短期的な調整よりも中長期的な調整が求められるだろう。
今回の大阪維新プログラム案では、給料(退職金も含む)カットが報じられた。しかし、たまに国民の意見などにある成果主義導入とは別問題であると思う。成果主義を導入するにしてもコストがかかり、運用が成功するのかもわからないからだ。