さよならを教えてファンサイト

『さよなら教』・・・。
 新しい宗教集団みたいな名前のファンサイトはありなんだろうか。所謂信者と言われるコアなファンが作っているはずなので、ジョークとして受け取るけど、冗談じゃなかったら怖いな。かといって自分も信者の端くれ、気持ちもわからなくはないので『さよ教』の感想でも書いてみます。

 さよ教の面白さは狂気の側面だけではないと思っていますがそこもまたこのゲームの魅力だと思います。妄想系の話では
霧の中
SPEED スピード (文春文庫)
パラノイアに憑かれた人々〈上〉ヒトラーの脳との対話
救命士 [DVD]
ファイト・クラブ [DVD]
など演出面などから言ってもこれらと同等以上のモノがあると思います。

    • その②

 さよ教の特徴として、エロゲーにありがちな、アヴァロンとしての箱庭ではなく最初は辛く閉鎖的な雰囲気から始まります。それともう1つは“役割”が重要な要素として扱われていたように感じました。これらを取り上げているモノとしては
自由からの逃走 新版
カッコーの巣の上で [DVD]
es[エス] [DVD]
変身 (新潮文庫)
CUBE [DVD]
主人公は最後に「意味が欲しいんだ!」と確かそんなことを叫んでいたと思いますが、ここでは二つの意味にとれると思います。
 まず、1つ目は『役割』が欲しいということ。ラスト付近では少女を救うというヒロイズムに目覚めますがこれも一種の主人公が自分で作り出した役割でしょう。それが、目的が達成され、その役割にも終わりを告げなくてはならない。故にラストのオチは新たな役割を演じる事になります。
 2つ目は、自分のやっている事には意味がないと自ら気付いている。故に本当に意味のある事を欲しているともとれます。
 役割を演じると言う点に関して彼と自分がどれほどの違いがあるのかと考えるとさほど違いがないようにも思います。そもそもどんな社会でも求められる『役割』があり、それを演じなければ社会との繋がりは得られません。しかし、同時にそれが『役割』であるが故に代替可能です。それは本当に必要とされている一個人の人間は誰もいないという事です。
 最後のオチは虚しさを感じると思いますが果して普通の人とどれほど彼の行動に違いがあるのか。私にはそれほど差はないと思います。

    • その③

 さよ教の醍醐味は主人公の心の動きにあると思います。ここについては語る言葉を持ち得ません。あえて似たようなモノをあげるとしたら
夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫)
鴨居玲の絵画
のような魅力があると思います。
 ただこのゲームの最大の面白さは個人主義を否定していながら徹頭徹尾個人の問題を扱っている所にあると思います。この対比、というよりもこの二つを認識する事で、人を鬱にさせたり、逆に感動させたりするのではないでしょうか。たぶん・・・・。

 他にもデイヴィッド・リンチなんかもあると思いますがまだほとんどみた事がないのでよくわかりません。なんだかんだいってカルトっぽいサイコスリラーは好物なので色々敷衍しなくてもこのゲームは好きです。


 以上、信者の妄想でした。