潜水服は蝶の夢を見る作者: ジャン=ドミニックボービー,河野万里子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/03/05メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 76回この商品を含むブログ (78件) を見る

感動する映画ではない。この映画の見どころは主人公の視点を再現した画面にある。ブラジャーによって作られる胸と服との隙間。スカートから延びる脚線美。エロゲーには全くないエロティシズムが画面いっぱいに映し出され、私はそれを誰の目も気にせず堪能しつくした。
この映画を見て考えたのが、自分の性癖とオタク文化についてだ。その二つに思いを巡らせていれば、必然的に思考はエロゲーに帰着した。
エロゲー批評空間を眺めていて不思議なことは、エロとシナリオを分断して考えるという意見が見られたことだ。たとえば、日活ロマンからベットシーンを抜いて考えるなんて不毛なことだろう。というのは、文藝において性的表現も一つの重大な要素であるからだ。映画監督の大林宣彦氏は美少女を脱がせることに人生をかけている、と彼の映画を見ると思えてしまう。そこには、性的表現が作品にリアリティを与えるものだ、という確信がみてとれる。やはり、どうしても反応してしまう男の性は否定する気が起きない程度にはリアルだ。
上記のように考えれば、エロとシナリオを切り放すなどとは思いもつかないだろう。だが、なぜ否定するような考え方があるのか。少し考えれば、その理由は4つほど浮かんだ。